断裁機PK-513Lの刃を研磨、取り外し、取り付けを行う

断裁機PK-513Lを14年以上使っています。
初期の使い方が雑であったため、すぐに刃こぼれさせてしまい、そのまま無理に使っていました。
この度専門店での研磨のため、刃を取り外し、研磨してもらい、再び取り付けを行いました。
経緯
2010年末にScanSnapを購入しました。
はじめは本の背表紙の糊をアイロンで溶かし、バラバラにしようとしていましたが、あまりに手間がかかりました。
そのため後から断裁機PK-513Lを購入したと記憶しています。
断裁機を購入し試行錯誤しながら、効率的に書籍をばらす方法を試みていました。
しかしホチキス針で止めた雑誌を断裁しているとき、針ごと切断しようとしてしまい、初期の段階から刃こぼれさせてしまいました。
切断面が汚くなり、切りきれないことも多かったのですが、無理やり切断。
手でバラバラに分離していることを確認して、スキャンをしていました。
PCの入れ替えや新居への引っ越しなど環境変化があり、それも落ち着いてきました。
今回以前から検討していた、刃の研磨を業者にお願いすることにしました。
研磨の依頼
研磨前の刃
研磨依頼前の刃を示します。
わかりにくいですが刃先がボロボロなのがわかりますか?
使い始めたころに、上下にホチキス針で止めている雑誌を切った際に失敗しています。
ギリギリの位置で切ろうとして刃が当たってしまうことがあり、片方と中央付近に刃こぼれができました。


このような刃こぼれがあるとどうなるでしょうか?
この刃で切断した書籍の断面を見るとその痕跡がわかるかと思います。
切れていないわけではありませんが、無理やり押し切る感じになります。
ただし切断面の最後のほうは切れていない場合もありました。
またこのようになっていると、前後のページがスキャン時に分離できず、重複ページのスキャンが起き、エラーになることはしばしばありました。


研磨の依頼
今回研磨は砥刃どっとこむにお願いすることにしました。
刃だけを送付して研磨してもらう方法と断裁機ごと送付して交換を含め研磨してもらう方法があります。
新しく替刃を購入するとは14,000円(2025年8月時点)ほどのようです。
今回は刃1本だけを送付して研磨してもらうことにしました。
費用は以下のようになります。
内容 | 価格 | 備考 |
断裁刃研磨サービスx1本 | 2,800円 | 支払い対象 |
返却送料 | 700円 | 支払い対象 |
送付時の送料 | 840円 | |
計 | 4,340円 |
断裁機(1台)を送付する場合は以下のようになるかと思います。
送付時の送料はわからないので概算です。
内容 | 価格 | 備考 |
断裁刃研磨サービスx1本 | 2,800円 | 支払い対象 |
交換作業オプション-1台 | 3,000円 | 支払い対象 |
返却送料 | 1,700円 | 支払い対象 |
送付時の送料 | 1,700円? | 概算 |
計 | 9,200円 |
当然刃だけを送付するほうが安上がりですが、刃の取り外しは意外と面倒なので、断裁機ごと送付し交換もしてもらうほうが楽だとは思います。
研磨後の刃
研磨後の刃です。
研磨前と違いボロボロだった部分がきれいになっています。
どこに刃こぼれがあったのかわからないです。


先ほどと同じ本を切断してみました。
研磨後の切断面と研磨前の切断面を上下に並べています。
文字の印刷のためわかりにくいですが、刃こぼれによるギザギザした切断面がなくなっているのがわかります。
拡大しても切断面がきれいです。
切断時の感触もすんなりと刃が入るのがわかります。


取り外し
PK-513Lのマニュアル
PLUSのサイトに取扱説明書・組立説明書のページあります。
PK-513Lのマニュアルに刃の取り外し方、取り付け方が説明されています。
これをもとに作業を進めます。
まずマニュアルを読んでおきましょう。
刃の取り外しの作業手順
下はマニュアルからの参照しています。
基本的に図中の番号を用いて説明します。

事前に用意すべき道具は以下になります。
- スパナ(13mm) できれば厚さが薄いもの(STEP4で解説します)
- スパナ(10mm)
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ラジオペンチ
背面の2つのネジをプラスドライバーで外し、⑦カバーを外します。

①ハンドルが④ハンドルロックレバーでロックされていることを確認します。

左右両方の⑫バネ掛けを回転させて外します。

左右両方の⑭刃止めボルトをスパナ(13mm)でおさえながら、⑪六角ナットをスパナ(10mm)で外し、⑬引きバネを外します。
⑭刃止めボルトはバネの位置関係もあり非常に固定しにくいです。できる限り厚さの薄いスパナのほうが使いやすいかと思われます。
また⑪六角ナットもバネのせいで、ネットを可動できる範囲が狭く、非常に回しにくいです。

特にこちら側は支柱が近すぎで回すのが困難でした。

この取り外し作業は非常に面倒です。
この面倒さから、本体全部送って作業してもらうのも十分価値があるかと思いました。
左右両方の⑭刃止めボルトをスパナ(13mm)で⑨刃から外します。
⑮バネ掛けネジをマイナスドライバーで外します。
これで刃が完全に外れる状態になります。

刃を横にスライドさせて外します。
鋭利な刃なので注意しましょう。
取り付け
基本的に取り付けとは逆の操作をします。
ただし一部違う操作もあります。
慣れもあるのか、取り外しに比べると取り付けはあっという間におわりました。

刃の取り付け方向に注意して取り付けます。
刃先が⑤紙押えと接するように取り付けます。
マイナスドライバーで⑮バネ掛けネジを取り付けます。
その後中央の⑯引き上バネの下部をラジオペンチ等で引き下げて、⑮バネ掛けネジに引っ掛けます。
左右両方の⑭刃止めボルトをスパナ(13mm)で⑨刃に固定します。
左右両方の⑫バネ掛けを手前に回転して外した状態にします。
⑭刃止めボルトに⑬引きバネを引っ掛けます。
⑪六角ナットで固定します。
⑫バネ仕掛けを奥に回転させ、元の位置に戻します。
LEDの位置を調整してカットライン表示の調整をします。
カットラインは⑨刃と⑤紙押えの隙間から光を通して細い光線状にしているため、LEDの位置を調整する必要があります。
このとき電池が弱っていると光が見えにくいこともあります。


⑦カバーをかぶせて、プラスドライバーで左右のネジで固定します。
まとめ
今回専門店で刃を研磨してもらい、刃の取り外し、取り付けを行いました。
刃だけの研磨の場合、数千円。断裁機送付の場合は1万程度です。
替刃が1万数千円。断裁機本体が数万円であることを考えると、どちらでもリーズナブルに対応することができます。
参考情報
今回の刃の研磨は砥刃どっとこむさんにお願いしました。
交換にはPLUS社のドキュメントを参考にしています。
断裁機の価格等はAmazonのページを参照してください。
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